村田 晴夫
バラの咲く庭づくり (Roses & rose gardens)
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美しい写真 |
バラ作りの参考にも充分なりますが、写真が美しく、わたしとしては見ているだけで幸せになってしまうような本でした。
特に参考になったのは、フェンスにバラを誘引するのにも高いフェンスと低いフェンスに向いているバラがあり、別々に紹介されていたことです。その他にも用途ごとに紹介されていて、バラ作りではバラにあった場所選びが大切なポイントとなることを知りました。
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初心者向けではないです |
この本は一応初心者でも分かるように丁寧に解説されていますが、私が見た感じでは、中級者向けの本だと思いました。
バラがメインの庭が撮されていますが、誘引の方法が分かるように、ひいて写真を撮られていて、一見風景写真のように見えますが、こういう仕立て方もあるんだと感心させられるものが沢山あり、参考になりました。
シーン別に少しですがバラ図鑑があり、参考になります。
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風景を最優先 |
バラの育て方に関して、初心者にはとてもわかりやすい本だと思います。ただ気になったのは、あくまでも風景優先ということ。どちらかというと日本の庭に合い難いオールドローズやイングリッシュローズにはやや否定的だと感じました。それと香りに対するこだわりもあまり感じられず、香りは二の次という印象を受けました。
でも育てている本人は、道路の向こう側から庭の全体像をキャンバスに見たて、楽しむことが一番の目的ではありません。毎朝、可憐な一輪に顔を近づけ香りを楽しみ、時には枝を切り取って家の中に生けたい。そんな時アンティークなバラのたおやかさというのは何にも代えがたい癒しの力を持っています。
私は現代バラ、イングリッシュローズ、オールドローズ、いろいろ育てましたが、やはりアンティークなバラのもつ独特な風合いに心惹かれます。
専門家の方には、日本の狭い庭に合わせにくい品種だからこそ楽しめる方法を研究と工夫で考え出して欲しい。それを提案してくれる本を待ち望んでいます。
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庭のなかのバラ |
庭の中でバラを位置づけていく本だと思いました。そして、さまざまな提案にあふれています。
たとえば……。
花が美しく、花つきの良い、今流行のイングリッシュローズ。
わたしなども、何本か育てていたのですが、ややもすると伸びすぎて、庭でもてあましてしまったことがありました。どうしたら庭にしっくりくるのだろうと悩みました。
そのイングリッシュローズを、すっきり、ドームにする方法が載っています。びっくりしました。こうすれば良かったんだと思いました。鉄パイプで作るドームなのですが、すごい提案だと思います。
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具体的なアドバイス満載。 |
お庭にバラを植えるとき、自分のイメージが絶対あると思います。
壁に這わせる、フェンス、バラガーデン、コンテナ。
それぞれのイメージを本当に実現させるためのアドバイスが
満載です。
よくある初心者向けの、品種と植え方肥料のやり方だけの本では
ありません。
とても親切に、丁寧に目的別の品種選びから剪定方法まで書いてあってすばらしいです!
愛読書の一冊です。