バラの花に魅せられて、訪問したバラ園、イングリッシュガーデンとバラに関する情報を集めてみました


旧古河庭園(東京都)

東京都にある旧古河庭園に行って来ました。
 訪問したのは、11月の中旬という秋バラの最盛期でした。
 旧古河庭園は、
大正6年に建てられた洋館と、その庭としてバラを中心とした洋風庭園と日本庭園の両方が配された形となっています。
 この庭園はもと明治の元勲・陸奥宗光の別邸であったものが、次男が古河財閥の養子になった時、古河家の所有となったもので、現在の洋館と洋風庭園は、旧岩崎邸庭園洋館、鹿鳴館、ニコライ堂などを設計した英国人のジョサイアコンドル博士(1852〜1920)という人が設計し、日本庭園の部分は、山県有朋の京都別邸である無鄰庵、平安神宮神苑、円山公園、南禅寺界隈の財界人の別荘庭園などを作庭した、京都の庭師小川治兵衛(1860〜1933)という人が作庭したとのことです。
 施設は、戦後一時占領軍の宿舎として使用されたこともあったらしいですが、その後は国所有になり、それを東京都が無償で借り受け、整備し一般公開をしています。

 旧古河庭園の場所は、JRだと、京浜東北線「上中里駅」、又は地下鉄南北線「西ヶ原駅」が最寄り駅になります。行きは地下鉄、帰りはJRを利用しましたが、いずれも、駅から徒歩で10分弱ぐらいでした。
 駐車場はありませんが、すぐ近くの平塚神社に、一時預かりの看板が出ているのを見かけましたので、そこに駐車すると良いかも知れません


 旧古河庭園の洋風庭園部分は、ほとんど全てがバラ園となっています。面積的にはそんなに広くはありません。洋館内が見学できたら、その見学が約1時間、洋風庭園、日本庭園併せて約1時間で、計2時間コースぐらいでしょうか。いずれも見方によりますが。

   
 上の左の写真が入口、右が入ってすぐの入場券売場です。さすがに他を寄せ付けないような門構えですね。  

 施設のレイアウトは左の写真のような感じとなっています。
 さすが、東京都、車イス利用案内があったりします。が、なんせ斜面を利用して建てられている施設なので、実際は車イスでは斜面の上から眺めるという見方が精一杯のような気がしました。ここら辺は残念ながら文化財なのでしようがないでしょうね。
写真のピンク色の部分が洋風庭園となります。
 (左の写真はクリックで拡大します)

 上の写真は、洋館前のバラです。
 ここの洋館の内部も公開していますが、事前に往復はがきで予約がないと見学することはできません。ただし、当日定員(1回の見学定員25人)に満たない場合、先着順で定員まで入場することができます。10時30分、1時、2時30分の1日3回となっており、案内の方について、1回約1時間かかります。また、ここのみ別途見学料として、525円(小学生以下無料)必要です。ただし、食堂の一部が喫茶室とされており、その部分にはお茶を飲みに入ることができます。(なんと、コーヒー840円、紅茶630円、ジュース420円、ケーキ525円もします。)
 当日は運良く定員に空きがあったので内部も見学することができました。天井や調度品などにバラの細工や彫り物を施した部屋などもあり、なかなか興味深いところもありました。この大きなお屋敷に、実際は古河男爵夫妻とその養子の子供との3人で暮らしていたそうで、あまりにも寂しいんじゃないかと思っていたら、使用人が40人もいたとのことです。ちなみにそのほとんどが庭師だったらしいです。



 洋風庭園部分はほとんどがバラ園で、左右対称となった刈り込みの中にバラが植えられています。
 バラは、約90種類180株のバラが植えられているとのことで、どこぞのバラ園のような規模ではありませんが、洋館からバラの花、庭が全て見渡せるように作られており、家の中から常に庭の様子を楽しめるように考えて作られたんだろうと思います。
 植えられているバラの種類は、ハイブリットティとフロリバンダでオールドローズ系は見あたりませんでした。ただ、ここのバラは1輪が大きい種類が多く、見応えがありました。
 花の名前の名札があるので、品種を知るのには重宝します。

アブラカダブラ ゴールデンメダイヨン コトネ ブルーライト
アブラカダブラ
ゴールデン メダイヨン
琴音
ブルーライト
  上の写真はいずれもクリックで拡大します。         

 旧古河庭園日本庭園 旧古河庭園日本庭園 
 バラ園、イングリッシュガーデンというテーマと違いますが、ついでに紹介しますと、日本庭園部分は、洋風庭園の部分に比べて圧倒的に面積が広いです。洋館には洋風庭園でしょう、とは思うもののやはり日本人には日本庭園が心安らぐものだったんでしょう。
 日本庭園の中心には大きな池があったり、また茶室があったりします。
 11月中旬で、もみじとかの紅葉には未だ早かったようですが、池の横のハゼの木のみが真っ赤に紅葉していてきれいでした。めいっぱいあちこちが紅葉しているのも良いですが、1本だけ紅葉しているのも目立って印象的でしたね。

   洋館の横に芝生の広場があります。立ち入り禁止の看板は見あたりませんでしたが、写真のような小さな柵がありますので基本的には立ち入り禁止なのではないかと思います。
 入口横の掲示板に、芝生に「ロブラール」薬剤散布のお知らせがはってありましたが、やはりこういったところでは無農薬で管理はできないんでしょうね。ロブラールは芝生の葉腐病(ブラウンパッチ)やヘルミントスポリウム葉枯病などの予防に使いますが、野菜とかにも広く使われるので、そんなに問題はないんだとは思います。
 バラとかもこれだけきれいに咲かせているんですから、かなりの薬剤は使っているんでしょう。これもこういうとこでは仕方ないですが。
 薬剤散布のお知らせが貼ってあるだけ、随分気を使っているようで好感が持てましたね。
 上の写真の右側にあるように、小さな売店があります。ここに、旧古河庭園オリジナルラベル付き「バラの羊羹」(450円)というものを売っていました。買っていないのでどんなものかはわかりませんが、旧古河庭園に行ったという証拠のおみやげにはいいかもしれません。(笑)

 今回は、運良く秋バラの良いシーズンに行くことができて、春ほどではないにしても良い状態のバラの花をたくさん見ることができました。やはりそのシーズンに行くべきですね。なかなか難しいですけど。
 ここは、さすがに東京にありますので、平日にもかかわらず結構な人がいました。春のシーズンや紅葉の盛り、桜の頃は随分な人出になるんだろうと思います。その頃に行くのであれば、開園間際とかちょっと時間をずらすのが正解のような気がします。
 バラ園としてみれば、とりたてて品種、数があるわけではありません。家の庭としてですので、当然といえば当然ですね。それでも一輪一輪は見事なバラが多く、きれいに刈り込んだ刈り込みが整然と並んだ中に植えられているバラもなかなか見応えはあるものでした。
 旧古河庭園は、東京都管理で入場料が随分安いので、近くに行くことがあればまた立ち寄ってみたい庭園でした。
 

DATA
東京都北区西ヶ原一丁目
TEL :(03)3910−0394(旧古河庭園管理センター)
HP :http://www.tokyo-park.or.jp/park/format/index034.html((財)東京都公園協会のHP)
休園日 :12月29日から1月1日
      洋館内見学は、12/28〜1/4、および冬季の毎月曜日休み
開園時間 :午前9時〜午後5時(入園は午後4時30分まで)
入園料 :150円(中学生以上、但し都内在住、在学の中学生は無料)、65歳以上70円、小学生以下無料
     


訪問日:2006.11.17



このページのトップに戻る
Copyright 2009 バラの花とバラ園、イングリッシュガーデン All rights reserved.
マイホーム・家づくり応援隊 芝生の手入れとガーデニング バラと芝生とガーデニング